実家を片付けていて、仏間の前で手が止まる方は少なくありません。家具のように粗大ごみへとは踏み切れず、「そのまま手放していいのか」「お寺に頼むべきか」「いくら包めばいいのか」と迷います。仏壇の扱いは気持ちの問題でもあり、宗派・地域・ご家庭の考え方で正解が変わります。迷ったときは、菩提寺に尋ねるところから始めてかまいません。


処分の前に、お寺へ供養の要否を相談するのが一般的

多くのご家庭では、仏壇を処分する前に閉眼供養(へいがんくよう)という儀式を行います。地域や宗派により「魂抜き」「お性根抜き」「撥遣(はっけん)供養」などとも呼ばれ、仏壇に宿った魂・仏を抜いて、ただの"モノ"に戻すという意味合いの法要です。これを経てから引き取り・処分に進むのが一般的です。


相談先は3つ:お寺、仏具店、自治体

相談先何を頼めるか費用の目安向いているケース
① 菩提寺・お寺閉眼供養(法要)お布施(後述・定価なし)付き合いのあるお寺がある
② 仏具店閉眼供養の手配+引き取り・下取り(引き取り後の処分方法を確認)引き取り数千〜数万円+供養料仏壇の買い替え・処分を一括で
③ 自治体の粗大ごみ廃棄(供養は別途、お寺・仏具店へ手配)粗大ごみ料金(数百〜数千円)供養を済ませ、費用を最も抑えたい
仏壇を手放すまでの基本の流れ
  1. 菩提寺・お寺(①)や仏具店(②)に相談
  2. 閉眼供養(魂抜き)(要否はお寺に確認)
  3. 引き取り・処分

「①や②で閉眼供養 → その後に引き取り・処分」という流れが基本です。③の自治体粗大ごみは最も安価ですが、供養を済ませてからにする方が多く、宗教的な配慮の面でも安心です。


費用はお布施と引き取り費に分かれる。お布施に定価はない

仏壇の処分にかかるお金は、大きく「閉眼供養のお布施」+「引き取り・処分費」に分かれます。

  • 閉眼供養のお布施:お寺にお渡しする謝礼で、定価はありません。一般に1万〜5万円程度を包む例が紹介されますが、宗派・地域・お寺・法要の内容で幅があるため、金額に迷う場合は菩提寺に直接尋ねてよいものです(「みなさまどのくらいですか」と聞いて差し支えありません)。
  • 引き取り・処分費:仏具店なら数千〜数万円です。自治体の粗大ごみなら数百〜数千円です。
  • 出張供養:お寺に来てもらう場合、お布施に加えお車代を包むのが一般的です。

神棚・遺影・位牌も、供養やお焚き上げを経てから手放す

仏壇と一緒に迷いやすいものです。

  • 神棚・お札・お守り:神社でお焚き上げをお願いするのが一般的です。授かった神社に納めるのが基本ですが、対応する神社に相談できます。
  • 遺影:宗教的な決まりは仏壇ほど強くありませんが、お焚き上げや供養を選ぶ方が多いです。手元に残す場合はデータ化して小さくする方法もあります。
  • 位牌:多くの宗派では故人の魂が宿るものとして扱い、閉眼供養(お性根抜き)をしてから処分・お焚き上げ、または永代供養としてお寺に納める方法があります。なお浄土真宗では位牌を用いず、過去帳や法名軸を使うのが一般的です。扱いは菩提寺に相談を。

お焚き上げは、供養に対応する寺社や仏具店に相談できます。


迷ったら、菩提寺 → 仏具店の順に当たる

相談先の選び方
  • 付き合いのあるお寺(菩提寺)がある①菩提寺でまず相談
  • 菩提寺がない・遠方でわからない②仏具店に相談
  • 供養を済ませ、処分だけ進めたい③市区町村の粗大ごみ等の案内を確認
  1. 付き合いのあるお寺(菩提寺)があるかを確認 → あれば①でまず相談。
  2. 菩提寺がない・遠方でわからない → 仏具店(②)へ。
  3. 供養は済んだ、処分だけ進めたい → 市区町村の案内(粗大ごみ等)で確認します。業者に運び出しを頼むなら、実家のある市区町村の許可(または委託)を確認した業者かを確かめてください。

供養の手配はお寺・仏具店へ、処分は市区町村の案内か、市区町村の許可を確認した業者へ、と分けて考えると整理しやすくなります。


次に知っておきたいこと:仏壇のほかの家財は、どう手放すか

仏壇の行き先が決まると、次は家具や家電、衣類など、残りの家財が目に入ってきます。粗大ごみ・買取・不用品回収・遺品整理業者のどれを使うかは、「実家の大量の不用品を処分する方法と費用」で、5つの手段の費用と手間を比べています。

ほかに気になることがあれば:


出典(取得日 2026年10月11日)

  • 閉眼供養(魂抜き・お性根抜き・撥遣供養)が仏壇処分前に行われる一般的な儀式であること、要否・呼称が宗派・地域・寺院で異なること:仏教各宗派・寺院・仏具店が公表する一般的な説明にもとづく整理。宗派固有の教義・作法は各宗派・菩提寺の見解による。宗派公式:浄土真宗本願寺派 FAQ、真宗大谷派「仏壇」(浄土真宗では位牌を用いない旨)。
  • お布施に定価がなく、金額は宗派・地域・寺院・法要内容で幅があること:お布施は宗教上の謝礼であり定価の概念がないという一般的な説明にもとづく。数値(1万〜5万円程度)は一般に紹介される目安で確定額ではない。
  • 仏壇・位牌・神棚・遺影の処分手段(寺社での供養・お焚き上げ、仏具店の引き取り、自治体の粗大ごみ)と費用帯:仏具店・寺社が公表するサービス内容の集計。費用は依頼先・仏壇の大きさ・地域で変動する。粗大ごみ料金は各市区町村の案内による(→「不用品を処分する方法と費用」)。
  • 家庭から出る廃棄物の収集運搬に市区町村の許可(または委託)が必要であること:環境省「廃棄物の処分に「無許可」の回収業者を利用しないでください!」。

閉眼供養の要否・作法・費用は、宗派・地域・お寺・ご家庭の考え方で異なります。本記事は一般的な流れの情報提供です。作法やお布施は菩提寺・寺社に、処分費用は仏具店・自治体にご確認ください。じまい堂は情報を整理してお渡しする立場で、宗教的作法の指示や費用決定には関与しません。