押し入れを開けると、布団や衣装ケースが天井近くまで積まれている。台所の吊り戸棚には、しまわれたままの食器が並んでいる。業者に頼もうと思っても、いくらかかるのか見当がつかず、電話をかける手が止まります。まず間取りで大まかな位置をつかみ、そのあと物の量や搬出の条件で上下を補正すると、自分の家がレンジのどこに来そうかが見えてきます。


間取り別の目安:3LDKで約15万〜50万円、一戸建ては約20万円から

遺品整理の料金は、作業量にほぼ比例します。作業量は、部屋の広さ(=間取り)でおおよその見当がつきます。事業者の公式料金ページと比較サイトの公表額をまとめると、次のレンジです(2026年10月時点)。

自分の家の費用の位置をつかむ順番
  1. 間取りで大まかな位置をつかむ下の表のレンジが出発点
  2. 物の量・搬出の条件で上下を補正4つの条件(次の章)
  3. 相見積もりで実額を確かめる内訳が明記されているかも比べる
間取り費用の目安作業人数・時間の目安
1R・1K約3万〜8万円1〜2名・数時間
1LDK・2DK約7万〜25万円2〜3名・半日ほど
2LDK約10万〜30万円3〜5名・半日前後
3LDK約15万〜50万円4〜6名・半日〜1日
4LDK以上・一戸建て約20万〜60万円5名以上・1日〜(物量次第で数日)

下限は、事業者の公式料金ページに載っている「◯万円〜」の最低額の中ほどです。上限は、比較サイトが公表している幅からとりました。公的な統計はありません。


金額を上下させる4つの条件:物の量、搬出、距離、特殊清掃

間取り別のレンジは出発点です。ここから、家の条件で上下します。上振れしやすい条件を知っておくと、見積もりの金額に納得しやすくなります。

① 物の量(残置量)がいちばん大きく効く

作業量=トラックの台数・人数・処分費に直結します。「一部屋に物が積み上がっている」「押し入れ・物置・庭まで物がある」ケースは、同じ間取りでもワンランク上のレンジになります。

② 階段しかない上階や、狭い間口は人件費が増える

エレベーターの無い集合住宅の上階、間口が狭く大型家具を分解しないと出せない、トラックを家の前に停められず横持ち(手運び)が長い――こうした搬出のしにくさは人件費を押し上げます。

③ 実家が遠いと、出張費と移動時間が加算される

遠方や、事業者の営業圏から離れた場所は、出張費・移動時間が加算されます。遠方の実家を片付けるときは、地元の事業者に頼めるかどうかで差が出ます(進め方は「遠方の実家を片付ける方法」にまとめています)。

④ 特殊清掃やオプションは別料金

孤独死・長期放置などで特殊清掃が必要な場合、消臭・消毒・原状回復が別途かかり、金額が大きく変わります。また、エアコン・仏壇・大型家電のリサイクル、ハウスクリーニングなどのオプションも加算要因です。

仏壇は別の配慮が要ります(「仏壇・神棚・遺影の処分方法」)。


費用を抑えるには、相見積もり・買取・時期の3つ

  1. 複数社で相見積もりを取る:同じ作業でも事業者ごとに数万〜数十万円の差が出ます。金額だけでなく、見積書の内訳(人件費・車両費・処分費・オプション)が明記されているかを比べます。
  2. 買い取れる物を先に分ける:リユース可能な家具・家電・骨董などは、買取で費用と相殺できる場合があります。ただし価値の判断は難しいので、買取に対応した遺品整理業者を選ぶと一度で済みます。
  3. 急がないなら時期をずらす:事業者によっては、混み合う時期(年末・年度末など)を避けると、金額や日程に融通が利くことがあります。

どれも、やれば安くなると言い切れるものではありません。金額は物の量・立地・時期で幅が出るので、相見積もりで実額を確かめます。


見積もりを頼む前に、間取りと物の量で概算をつかむ

「まず相場観だけ知りたい」段階なら、間取り × 物の量でおおよその位置がわかります。見積もりを頼む段階になったら、家庭の不用品を回収するには、市区町村の許可(または許可業者への委託)が要ります。業者に頼む前に、実家のある市区町村のサイトで「一般廃棄物収集運搬業 許可業者一覧」を確かめておくと安心です。許可のない業者は、遺品を有償で運べません(廃棄物処理法7条)。


次に知っておきたいこと:頼む前に、物をどうやって減らすか

費用を下げられるのは物の量でした。粗大ごみ、買取、フリマ、不用品回収、遺品整理業者のどれで減らすのがよいかは、「実家の大量の不用品を処分する方法と費用」で、5つの手段の費用と手間を比べています。

ほかに気になることがあれば:


出典(取得日 2026年10月16日)

  • 遺品整理の費用相場(間取り別の目安・作業人数):遺品整理事業者9社の公式料金ページ(いずれも「◯万円〜」の最低額表示)と、比較サイト・まとめ記事6件の公表額を集計(二次情報を含む)。下限は公式料金の最低額の中ほど、上限は比較サイトの公表幅による。数値は目安であり、物量・時期・地域・搬出条件・料金に含む範囲で変動する。遺品整理の費用の公的な統計はない。
  • 見積もりと作業後の請求の食い違いの相談事例:国民生活センター「見守り新鮮情報」第525号(2025年10月30日)。
  • 特殊清掃・オプションの加算:事業者各社の公表するオプション料金体系による一般的な傾向。
  • 一般廃棄物の収集運搬の許可:e-Gov法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」第7条。

費用は残置量・立地・時期で大きく変わります。金額は複数社の見積もりでご確認ください。じまい堂は事業者の情報を整理してお渡しする立場で、作業料金の決定や契約には関与しません。