実家が新幹線や飛行機の距離にあると、帰省するたびに交通費と宿泊費がかかり、仕事も休まなければなりません。それでいて、着いて押し入れをひとつ開けたところで、もう帰りの時間が近づいている。近くの実家のように「何度も通って少しずつ」は、遠方では成り立ちません。最初に「何回行けば終わるか」を決め、そこから逆算して段取りを組みます。


現地に行くのは2回まで。間の見積は帰省せずに済ませる

帰省2回で進める段取り
  1. 1回目の帰省現地確認と、貴重品の確保
  2. 帰省なしオンライン見積・写真見積で複数社を比較し、作業日を決める
  3. 2回目の帰省作業当日の立会い。難しければ立会いなし対応の業者に鍵を託す
回目的やること
1回目現地確認・貴重品の確保家の状態を見る/通帳・権利証・印鑑・現金など貴重品だけ先に回収/業者に現地を見てもらう
(0回)見積・段取りオンライン見積・写真見積で複数社を比較/作業日を決める(帰省不要)
2回目立会い or 引き渡し作業当日の立会い。立会いが難しければ立会いなし対応の業者に鍵を託す方法も

立会いなしでも、片付けは進められます。遺品整理業者のなかには、鍵の受け渡しと事前の写真共有で、当日は所有者が現地にいなくても作業できるところがあります。ただし、目が届かない分の備え(後述)は必要です。家庭の不用品を回収するには市区町村の許可(または許可業者への委託)が要るので、頼む前に実家のある市区町村の窓口やホームページで許可業者を確かめておきます。


1回目の帰省で、貴重品だけは自分の手で持ち帰る

遠方でまず優先するのは、あとから取り返しがつかないものの確保です。片付け作業に入る前に、次のものは自分の目で探して持ち帰る(または保管場所を決める)のが安全です。

  • 通帳・キャッシュカード・印鑑(実印・銀行印)
  • 不動産の権利証(登記識別情報)・固定資産税の納税通知書
  • 有価証券・保険証券・年金関係の書類
  • 現金・貴金属・思い出の品(写真・手紙など)
  • 契約書類(賃貸借・リース・借入・公共料金)

これらは、相続の手続きや家の出口を考えるときに必要になります。手続きの全体像は「親が亡くなった後、家の片付けと手続きの全体像」に、売る・貸す・解体の選び方は「出口の決め方」にまとめています。


見積は帰省せずに取れる(写真・ビデオ通話・業者だけの下見)

現地に行く回数を減らす鍵は、行かずに見積を取ることです。次の方法なら、帰省せずに複数社を比べられます。

  • 写真・動画見積:スマホで各部屋を撮って送ると概算が出る。
  • オンライン見積(ビデオ通話):業者とビデオ通話しながら家の中を見せる。
  • 現地調査は業者だけで:鍵を預ければ、所有者不在で業者が下見に来られる場合も。

立会いなしで頼むなら、契約前に決めておく4つ

遠方・立会いなしは便利な一方、目が届かないことによる不安がつきものです。次の4つを契約前に決めておくと、リスクを下げられます。

作業前後の写真と報告書を残してもらう

「何を・どれだけ処分したか」を写真や作業報告書で残してもらうと、あとで「あれはどこへ?」を防げます。貴重品が出てきた場合の連絡ルールも事前に決めておきます。

見積書は「一式」ではなく内訳で受け取る

作業内容・処分費・車両費・オプション(家電リサイクル、ハウスクリーニング等)の内訳を書面で受け取ります。追加費用が出る条件も確認します。

前金の割合と、完了確認の方法を書面にする

高額の前金を求められたら理由を確認します。作業完了後の支払いや、完了をどう確認するかも決めておきます。

近隣へは事前に一言かけておく

作業日には、搬出でトラックや人の出入りがあります。可能なら事前に近隣へ挨拶を(行けなければ業者に一声かけてもらう)。後々の関係がスムーズです。

業者との契約・金額交渉は、利用者と業者が直接行います。じまい堂は複数社の情報と比較の観点をお渡しする立場で、取引の当事者にはなりません。


片付けた後も家を残すなら、管理の手段を決めておく

片付けが終わっても、すぐ売却・解体しない場合、遠方の実家は空き家として残ります。郵便受けからチラシがあふれる、庭木が伸びる、雨漏りに気づけない――遠方だと、こうした変化に手が届きません。


次に知っておきたいこと:業者に頼むと、いくらかかるのか

回数を減らす段取りが決まると、次は「業者に任せる分の費用はいくらか」が気になってくるはずです。片付け・解体・手続きまで含めた総額の目安と内訳は、「実家じまいの費用 総額はいくら?」にまとめています。

ほかに気になることがあれば:

業者の対応範囲・費用は事業者や地域で異なります。契約前に複数社の見積と条件をご確認ください。