たとえば、売りに出して2年たっても問い合わせは数件しか来ない。そのあいだにも固定資産税の通知は届き、草刈りのたびに帰省している。田舎や地方の実家では、こうしたことは珍しくありません。ただ、通常の売却で行き詰まっても、取り得る手はまだいくつもあります。


売れない理由は4つ。理由ごとに効く手が違う

「売れない」とひとくくりにせず、原因を切り分けると打ち手が見えてきます。

売れない理由具体例効きやすい打ち手
立地過疎地・交通不便・需要が薄い0円譲渡・空き家バンク・隣地への打診
再建築不可接道義務を満たさない(市街化調整区域で建て替えが制限される場合も似た扱いになる)訳あり買取・古家のまま活用・隣地への売却
建物の状態老朽・残置物が多い・心理的瑕疵訳あり買取・解体して土地・特殊清掃後に売却
価格相場と希望額の乖離価格見直し・買取(スピード重視)

理由別に取れる5つの手放し方

訳あり物件・古家付き土地の買取:現況のまま、早く手放せる

再建築不可、残置あり、老朽など、一般の市場で敬遠される物件を専門に買い取る業者があります。片付けや解体をせず現況のまま引き取ってもらえることが多く、スピードが速いのが利点です。一方、買取価格は市場での売却より抑えめになる傾向があります。「早く手放したい」を優先する場合の有力な選択肢です。

0円譲渡・引き取りサービス:値がつかなくても手放せる。ただし税に注意

売っても値がつかない、むしろ保有コストのほうが重い――そんなケースでは、無償または引き取り手数料を払って譲渡するという手段があります。「タダでも手放したい」ニーズに応えるマッチングや引き取りサービスが増えています。

空き家バンク:地域で使いたい人に届く自治体の制度

多くの自治体が、空き家の売り手・貸し手と、移住・活用希望者をつなぐ空き家バンクを運営しています。自治体の制度なので、じまい堂からの紹介ではなく、制度の情報としてお伝えしています。市場に乗りにくい物件でも、地域で使いたい人に届く可能性があります。

隣地・近隣への打診:隣にとっては価値のある土地もある

農地や再建築不可の土地は、隣の家や地主にとっては価値があることがあります(土地を広げたい、通路を確保したい等)。地元の不動産会社を通じて隣地へ打診すると、市場に出すより早く決まる場合があります。

解体して土地として売る・活用する:買い手は広がるが、税負担に注意

建物がマイナス評価なら、解体して更地にすることで買い手の幅が広がることがあります。ただし解体費(「解体費用の相場」参照)と、更地にすると固定資産税の住宅用地特例が外れて税負担が上がる点を天秤にかける必要があります。


持ち続けるコストと、手放すコストを比べて決める

どの選択肢も一長一短です。判断の軸は、「持ち続けた場合のコスト(固定資産税・管理費・リスク)」と「手放すコスト(買取での値引き・解体費・譲渡の手数料)」を比べることです。

状況別の考え方
  • 売り急ぐ必要はないが、管理はできる当面は管理しつつ、価格を見直して売却を続ける
  • 保有コスト・リスクを早く止めたい訳あり買取・0円譲渡で手放す
  • 放置している放置は選択肢ではなくコスト増
  • 売り急ぐ必要はないが、管理はできる → 当面は管理しつつ、価格を見直して売却を続ける。
  • 保有コスト・リスクを早く止めたい → 訳あり買取・0円譲渡で手放す。
  • 放置している → 特定空家等と判断され勧告を受けると税優遇が外れ、行政代執行のリスクもあります(→ 「空き家を放置するとどうなる?」)。放置は選択肢ではなくコスト増です。

じまい堂は、訳あり物件・古家付き土地の買取業者をご案内します。不動産会社への売却依頼を選ぶ場合は、複数社の情報と出口の考え方をお渡しする立場で、売買そのものや価格の交渉には関与しません。

🔗 手放し方を相談する → 「売れない理由」を入力すると、訳あり買取・譲渡・管理など、条件に合う選択肢と業者の情報をお伝えします。


次に知っておきたいこと:手放すまでのあいだ、家の管理はどうするか

買い手や引き取り先が決まるまでには、時間がかかることもあります。そのあいだ傷ませずに持つには、自分で通うか、管理サービスに頼むかを決める必要があります。両者の費用と損益分岐は、「遠方の空き家を管理する方法」にまとめています。

ほかに気になることがあれば:


出典(取得日 2026年7月14日)

  • 訳あり物件・古家付き土地の買取、0円譲渡・引き取りサービスの一般的な仕組み:買取・引き取り事業者各社の公表する事業内容による。
  • 低額・無償譲渡に関する課税(みなし贈与等)の一般的な論点:国税庁タックスアンサー(贈与税の課税対象)による一般的な概要。個別の課否は税理士に確認。
  • 空き家バンク:国土交通省・各自治体が運営する空き家・空き地バンクの仕組み。
  • 更地化による固定資産税の住宅用地特例:地方税法にもとづく住宅用地の課税標準特例。詳細は「空き家を放置するとどうなる?」参照。

手放し方には税・費用の論点が伴います。個別の課否・金額は専門家・自治体でご確認ください。じまい堂は業者・制度の情報を整理する立場で、不動産の売買そのものには関与しません。