実家の玄関を開けると、押し入れ、物置、台所の戸棚と、どこから手を付けても終わりが見えない気がします。そのうえ、家を売るのか、相続の手続きはどうするのか、兄弟にどう話すのかも同時に気になってくる。これを「片付け → 売却 → 手続き」の一本道に並べようとすると、どこかで止まります。実家じまいは、4つの流れをそれぞれのペースで同時に進めるものです。


実家じまいは「片付け・家の行き先・手続き・家族」の4つを同時に進める

そこで、実家じまいを次の4つに分けて、「今どれから動くか」を選びます。

流れ中身急ぎ度の目安
片付け(物)遺品・不用品の整理、貴重品・重要書類の確保中(貴重品の確保だけは最優先)
家の行き先売る・貸す・解体・保有のどれにするか状況次第(放置は損が増える)
お金と手続き相続・名義・税・補助金。期限のあるものを含む高(死後は期限が動き出す)
家族の合意誰が何を負担するか、思い出品をどうするか高(後回しにするほど揉めやすい)

最初の数日でやる3つ:書類を確保する、家の急ぎ度を決める、家族に一声かける

親が施設に入った場合でも、亡くなった場合でも、最初の数日でやっておくと後がラクになるのは次の3つです。

最初の数日でやる3つ
  1. 貴重品・重要書類だけ先に確保する散逸する前に一か所にまとめる
  2. 家の「出口の急ぎ度」をざっくり決める決めきれなくても構わない
  3. 家族に「これから進める」と一声かける「勝手に進めた」と感じさせない
  1. 貴重品・重要書類だけ先に確保する 通帳・印鑑・保険証券・不動産の権利証・年金や介護の書類・遺言の有無。片付け全体は後回しでよいので、これらが散逸する前に一か所にまとめます。親が亡くなった後なら、相続放棄を考えているうちは、遺品を売る・譲る・捨てるなどの処分や、預金の引き出しは控えてください。処分すると放棄できなくなることがあります(民法921条)。迷うときは、片付けの前に専門家に確かめてください。
  2. 家の「出口の急ぎ度」をざっくり決める すぐ手放すのか、当面は保有するのか。決めきれなくても構いませんが、「急いで売らない」と決めるだけでも片付けの進め方が変わります。
  3. 家族に「これから進める」と一声かける 後から「勝手に進めた」と感じさせないことが、家族の合意でこじれる火種を最初に消すいちばんの近道です。

片付けは、捨てる判断が要らないところから始める

迷う物は保留にして、捨てるかどうかは後で決める

「捨てるかどうか」を一つずつ決めようとすると、量に圧倒されて動けなくなります。1部屋だけ、貴重品だけ、明らかなゴミだけ、といった判断の要らない作業から始めます。気持ちの面で手が止まるときの進め方は「実家の片付けが進まない…着手できない時の順番と考え方」にまとめています。

量が多い・遠い・期限が迫っているなら、一部だけ業者に頼む


家の行き先は、売る・貸す・解体・保有を比べてから決める

空いた実家の行き先には、売る・貸す・解体・当面保有の4つがあります。向くケースと落とし穴がそれぞれ違うので、売却ありきで決めず、立地・築年・残置物・急ぎ度から比べます。

じまい堂は売買そのものには関わらず、出口の考え方の整理と、買取業者や不動産会社のご案内までを行います。


親が亡くなった後の手続きには期限がある。片付けより先に把握する

お金と手続きには、期限のある手続きが含まれます。とくに親が亡くなった後は、放っておくと過ぎてしまう期限があるため、片付けと並行して早めに確認します。

相続放棄をすべきかどうかなど、相続・税・登記の個別の判断は専門家の領分です。税は税理士におつなぎし、相続放棄や登記は弁護士・司法書士などの窓口をご案内します(弁護士・司法書士の紹介料はいただきません)。


兄弟・家族とは、感情と事実を分けて早めに話す

費用の負担、思い出品の扱い、誰が主導するか。実家じまいはお金と感情が同時に動くため、家族の温度差がトラブルになりやすいところです。

「誰がどう感じているか」という感情と、「費用・持分・期限」という事実を、分けて話します。進め方は「兄弟で実家じまいが揉める前に」に、書き出して使える整理シート付きでまとめています。


期間の目安:片付けは数日〜数か月、家の売却や解体はさらに数か月

期間はケースによって大きく変わりますが、ざっくりした目安は次のとおりです。

期間の目安
  1. 数日〜数週間片付け(業者に頼む場合)
  2. 数か月に及ぶことも片付け(自分でやる場合)
  3. 数週間家の行き先を決める
  4. さらに数か月売却や解体の完了まで
  • 片付け:業者に頼めば数日〜数週間、自分でやると数か月に及ぶことも。
  • 家の行き先:決めるまでに数週間、売却や解体の完了までさらに数か月。
  • 手続き:死後は期限が動くものがあり、早く把握するほど選択肢が残ります。

片付けの日数は、事業者の公表する目安で、作業そのものは一軒家(3LDK程度)なら1〜2日ほどです。「数日〜数週間」は、見積もりや日程調整を含めた期間です。家の行き先や売却・解体の期間には公的な統計がなく、上の数字はじまい堂が一般的な流れから整理した目安です。


次に知っておきたいこと:抜け漏れなく進めるには、何をどの順でチェックするか

全体の流れが分かると、次は「自分はいまどこまで済んでいて、何が残っているのか」が気になってくるはずです。きっかけが起きた直後から完了まで、やることを時系列に並べたものが「実家じまい やることチェックリスト(保存版)」です。済んだ項目に印を付けながら使えます。

ほかに気になることがあれば:

出典(取得日 2026年10月11日)

制度・税・法律にかかわる部分は、このガイドでは概観にとどめています。個別の判断は専門家にご確認ください。